そのキスで、覚えさせて
そんな馬鹿な話ばかりするあたしたちに、
「すみません……」
遠慮がちに話しかけるスタッフ。
そのスタッフは遥希を見て顔を紅くしていて。
遥希の存在がバレてしまったのだと悟る。
そうだよね、いくら分からない格好をしていても、こんなに至近距離だと気付くに決まっている。
スタッフが差し出したアンケートに、必要事項を記入する。
「星村美咲」
名前を書いて、改めてじーんとした。
あたし、遥希と結婚したんだ。