そのキスで、覚えさせて
「美咲、今日の式場、どう思ったか?」
帰り道、遥希があたしに聞く。
すごく素敵な結婚式場だった。
あたしもたくさん友達を呼んで、あんな式場で夢みたいな結婚式を挙げたい。
だけど……
「やっぱり、こじんまりとした式がいいのかな。
あんまり呼ぶ人もいないし」
その言葉に頷く遥希。
そして、静かに告げる。
「ごめんな、俺と結婚したばかりに」
「……え?」
なんでごめんなの?
なんで謝るの?
思わず遥希を見たが、少し切なげな顔で続ける。