そのキスで、覚えさせて
「俺は特殊な人間だから、普通の結婚式を挙げられねぇ。
お前も好きな人を呼べないし、俺も友達が少ない」
そんな遥希に、
「ううん」
あたしは首を振る。
そんなこと言わないで欲しい。
「あたしは楽しみだよ。
遥希と本当に大切な人だけを呼んだ結婚式。
きっと、すごく幸せな一日になるよ」
「美咲……お前、マジでいい女だな」
遥希は甘い目であたしを見つめる。
そんな目で見られると、やっぱり身体が熱く疼く。
不思議だな、こんなに遥希を好きになって。
遥希なんて、今まで興味もなかったのに。
楽しみだね、結婚式。
どんな結婚式でも、きっとすごく幸せだよ。
……そう、遥希が隣にいるだけで、あたしはこんなに幸せです。