そのキスで、覚えさせて
「いいんじゃね?
無理に話しなくても」
遥希はあたしの話を聞いて、たいして気にしていない返事を返した。
そんな遥希にイラっとする。
「遥希って、ドライだよね。
意地悪だよね」
わざと言ってやると、
「分かってるじゃん」
遥希は得意げに言った。
そこ、得意げになるところではないんだけどね。
あたしは皮肉を込めて言ったんだけど。
だけど、遥希は続ける。
「そいつ、マジで友達なの?」
ズキン……
胸が痛む。
「お前のこと、傷つけてるだけじゃん」
その言葉があたしを締め付けた。