そのキスで、覚えさせて









「いいんじゃね?

無理に話しなくても」




遥希はあたしの話を聞いて、たいして気にしていない返事を返した。

そんな遥希にイラっとする。





「遥希って、ドライだよね。

意地悪だよね」



わざと言ってやると、



「分かってるじゃん」



遥希は得意げに言った。

そこ、得意げになるところではないんだけどね。

あたしは皮肉を込めて言ったんだけど。




だけど、遥希は続ける。




「そいつ、マジで友達なの?」




ズキン……



胸が痛む。




「お前のこと、傷つけてるだけじゃん」




その言葉があたしを締め付けた。



< 39 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop