そのキスで、覚えさせて





遥希の馬鹿!

美咲は一番近い同期だし、友達だとあたしは思っている。

でも、遥希の言うことはもっともだ。

あたしが本当のことを話すと、泉はきっと激怒してあたしから離れていく。

あたしはランチに行ったり悩みを相談する、都合のいい存在なのかな。




だけど、これ以上泉を悪く考えたくなくて、あたしは話題を変えていた。





「もうすぐ、TODAYのコンサートあるんだ」



「……あぁ」




さほど興味なさげに言う遥希。

そんな遥希に噛み付く。




「なんで何も教えてくれないの?」





そうだよ、あたしは遥希の恋人。

コンサートだって見に行きたい。

かっこいい遥希を見たいのに!


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