そのキスで、覚えさせて
「ごめん……」
遥希に謝る。
何を言っても墓穴を掘りそうで、これ以上何も言えない。
嫌な静寂があたしたちを襲う。
そんな中、思った。
最近感覚が麻痺していたけど、遥希はあたしと一緒にいるのがもったいないほどすごい人。
何万人ものファンがいて、彼女たちは遥希に恋人が出来たら本気で怒る。
それほどまでに、モテモテの遥希なんだ。
そんな人々を虜にする遥希を、もっともっと見たい。
きっとコンサートに行ったら、もっと遥希に惚れてしまうんだろうな。
「何とかして行くから。
絶対行くから!」
あたしの決意は固かった。