そのキスで、覚えさせて






「彼氏だろ?」




瀬川さんは吐き捨てる。




「彼氏なら、結婚してる訳でもないし。

俺が奪ってもいいんだよね?」




なに、その意味不明な理論。

そして瀬川さんは、ニヤリとして付け足した。




「俺の会社、美咲ちゃんのとこと取引きすることになったんだよね。

だから近々、会うかも」



「え?」



「一緒に仕事したりすれば、惚れることもあるよね」





ない!

絶対にない!!




あたしは瀬川さんを睨んだ。

きっと、瀬川さんは酔っているから分からないんだ。

酔った勢いでナンパしちゃったんだ。


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