そのキスで、覚えさせて




「ますますFのファンになってしまう」



「……」



「あぁ……碧にも会いたい」



そう言ったあたしに、



「F、ぶっ殺す!

碧、マジでぶっ殺す!!」



遥希は声を荒げた。

そんないつものやり取りを笑って見ている人がいた。





彼はソファーにどかっと腰掛け、その中性的な顔に面白そうな笑みを浮かべる。




「あー。だから遥希、碧のこと嫌いだったんだー」



「そうだ、勇人。

お前もあいつらムカつくだろ?」



「でも遥希、玄と仲良しぢゃーん?」




まさしく、ぢの発音だった。

チャラチャラしながら勇人さんは遥希と同じビールを口にした。

そんな勇人さんを見て、思わず笑ってしまった。


< 6 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop