そのキスで、覚えさせて
ちょっと待って?
なんでそうなるの?
あたしはもちろん遥希と本気で交際している。
ずっと一緒にいられたらいいな、と思う。
それを赤の他人に勝手に決められたくない。
「黙って聞いていれば、腹が立ちますね」
こういう性格がいけないのだろう。
こういう性格だから、誠や瀬川さんを怒らせてしまう。
だけど、我慢が出来なかった。
「あなたこそ、何も分からない。
あたしがどんな気持ちで遥希と付き合っているのか」
一回吐き出すと、イライラはとめどなく出てくる。
「あたしはコンサートにも行けないのかとか、外でデートも出来ないのかとか、友達にも紹介出来ないのかとか。
最近は遥希が忙しくて、会うことすら出来ない。
出来ないことばっかりで、あたしだって張り裂けそうです!」