そのキスで、覚えさせて
ふと、携帯を見た。
すると、遥希からのメッセージが入っている。
ー蒼から聞いた。何やってんだ?
胸がどくんと鳴る。
ー早く帰ってこい。俺は家で待ってる。
あぁ、やっぱりあたしには遥希しかいない。
その大きな胸に飛び込んで、バカバカと叩いてやりたい。
そして、ぎゅっと抱きしめて欲しい。
それほどまでに、遥希が好き。
唯さんは親切で、黒いヴェルファイアで家まで送ってくれた。
TODAYの新曲が流れていて驚いていると、
「蒼が大好きなんです」
唯さんが教えてくれた。
人って本当に分からない。