そのキスで、覚えさせて






あたしは胡散臭そうに瀬川さんを見る。




今、何を言って名誉挽回しようとしても、あの夜の出来事が頭の中に残っていて。

どうしても瀬川さんを警戒してしまうあたし。

だけど、瀬川さんはあたしに告げた。




「確かに美咲ちゃんは魅力的だけど、後輩の元カノだからね。狙ったりしないよ」




その言葉にホッとした。



結局、酔っ払いの戯言だったんだ。

あたし、なに本気にしていたんだろう。

ようやく瀬川さんに笑顔を向けることが出来たあたしは、



「よろしくお願いします」



頭を下げていた。


< 94 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop