そのキスで、覚えさせて
「意外と大丈夫だな。
それに……」
遥希はあたしに身を寄せ、またまたどきんとするあたし。
胸がきゅんきゅん言って、顔がにやけてくる。
「バレても構わねぇ。
お前は俺の女だから」
その言葉に、やっぱり狂わされる。
こうやって、遥希に会うと思う。
やっぱり遥希しかいないんだと。
ただ一緒に歩いているだけなのに、ドキドキして身体が熱くって。
もっとこうしていたいと思ってしまう。
贅沢だな。
遥希と付き合っていられるだけで幸せなのに、こうやってデート出来るなんて。
「よく考えたら、外でデートなんてしたことねぇな」
遥希はしみじみと言ったが、その言葉がちくりと刺さった。
考えたくはないが、遥希の元カノの存在が頭に浮かぶ。
それを振り払うように、あたしは聞いた。
「今日は何するの?」