A・O・I

「...........蒼...........ごめん...ごめんなさい...........。」


包み込む様な言葉一つ一つに、胸が一杯になる。


「ずっと辛かったよね...........。あの時、俺を預かる事で、少しでもあなたが救われていたなら、俺は嬉しいよ。役に立ててたんだって思える。...........でもね、硝子さん。俺はもう硝子さんの子供役は降りたい。傷付いてずっと泣いているあなたを、今度は男として守りたいんだ。あなたの一番傍で。」


「はぁ~...........。全て知ったのか............いつの間にこんなに頼もしくなってたんだろ。今頃気付くなんて、本当に私って抜けてるな。...........蒼...私にとってあなたは、ずっと特別だったよ。だって蒼が居ないと私、何にも出来ないんだもん。見てほら...........桃缶も開けられない...........こんな歳になって、情けないよね。」


「プッ...........桃食べようとしてたの?」


「うん...........蒼が居ないから、食欲湧かなくて...........少し低血糖気味みたい。」


「えっ!大丈夫っ?!早く食べなきゃっ!!」


蒼が何の迷いもなく、引き出しの奥から缶切りを取り出した。


「フフッ...........そこさっきも見たんだけどなぁ~。」


「奥に置いとくって、前に言ったのに聞いてないから...........。」


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