A・O・I

「その心の準備、何分掛かるの?」


「何分って、今日じゃないとダメなの?!!」


「はぁ~...........寒いから隣、入るね。」


「えっ?!!ちょっと!!」


蒼が立ち上がろうとして、私は咄嗟に目をつぶった。

急な水位の上昇と、水の揺れで私の体勢が崩れる。


「わぁっ?!!」


一瞬滑りそうになった身体が後から抱きかかえられた。

思わずビクンッと身体が反応してしまう。



「あっ.......待って、そこ掴まないでっ!」


「硝子さん敏感過ぎない?」


「仕方ないでしょっ!!高校の時からそうゆう事ずっとして無いんだからっ!!」


「えっ?!!そうなの??」


「誘われる事はあったけど、そんな気分になれなくて...........。」


「...........そっか。もしかして、そうゆう事抵抗ある?」


「...........そう思ってたんだけど、さっきから、なんか身体がおかしくて...........蒼の所為みたい...........。」


「えっ?本当に?!!俺を見て興奮する??」


「興奮って、そんな言い方しないでよ...........。」


「じゃあなんて言えばいい?」


背後から抱き締められて、蒼の頬が私の耳に触れる。


「待って...........恥ずかしいってば...。」


「...........俺に欲情してる?」


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