A・O・I
「う~ん……それね……。私も考えてるんだけど、蒼も蒼で考えがあるみたい。賢い子だから、きっと確りとした計画があるんだと思うから、今は待ってる感じかな?」
「…………いつまで待つんだよ。そんなんじゃ、いつまで経っても恋人出来ねーじゃん。」
「フフッ…恋人なんてもういいし、それより子離れ出来るか心配!」
「……子離れねぇ~……。蒼君、この前会社に迎えに来てたろ?久し振りに見たけど、まるでモデルみたいなルックスだな?身長も高いし…本当に外人の血はすげーわ。」
「……そうかな?私はもう見慣れてるから、そんなでも無いけど……。」
「きっと恋人とかも居るんだろうな?」
「そうゆう話、全然してこないから、よく分からないけど……いても可笑しくないよね。」
息子を彼女に取られるって、きっとこんな気持ちなんだろうな。
最近、先々の事を考えて、少なからず落ち込むのは、こんな母親の気持ちが強く出ているのだろう。
八年も一緒に居て、ここで広く心を持てないのは情けなくて泣きたくなる。
「まぁ~……、蒼君が一人暮らし始めたら、今度は俺が飲みにでも付き合ってやるよ!なっ!」
「フフッ……そりゃどうもアリガトウゴザイマス……。」
「うわ~!!心込めろよそこは~!!」
「アハハハッ!いつも元気貰ってます!ありがとうございます!!」
「それで宜しい!!プッ!アハハハッ!」
少しづつまた一人の生活にも慣れないといけないと、決心しつつも、他愛も無い憂鬱と不安を、同僚と甘いカフェオレで紛らわせた。