sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜


「貴文さん、今まで女運が散々だったのよ。皆彼の地位や財産に目がくらんで言い寄ってくる女ばかりで、恋愛というものを信じられなくなっているんですって。私も完全にそのうちの一人なんだけど、そのことを最初から堂々と伝えてきたのが私だけなんですって。だから面白がって付き合ってくれているだけなのよ」

「……でも。円美さんは本気なんですよね?」



あんなにスペック重視だった円美さんが、望み通りの男性を手に入れたにも関わらずこんなにも憂鬱そうなのは、きっとそこに気持ちがあるからなんじゃないかな。最初は柚殿さんの容姿や財産に惹かれたんだとしても、今の円美さんはそれ以上の感情もある気がする。

そう思って尋ねると、円美さんが鼻で笑って私を睨んできた。


「千那ちゃんのくせに生意気。……でもその通りよ。いつも“恋愛なんかまやかしに過ぎない”って言っている彼のこと、どうしたら本気にさせられるのかしらって、そればかり考えてるの」


円美さんの言葉を、自分の口の中でもう一度かみ砕く。


「恋愛はまやかし……」

「千那ちゃんの彼氏も気を付けた方がいいわよ。なんでも貴文さんと綾辻弁護士とウチの副社長ってみんな幼なじみで三人とも昔から相当モテてたらしいから、恋愛に対して変な考えを持ってるかもしれない」


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