sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜
詠吾さんは彼氏ではないけれど、円美さんの忠告が、ずーんと肩にのしかかった。
昔からモテていた、か。それはなんとなく想像がつくけど、柚殿さんのように“恋愛はまやかし”だなんて思っていないよね。今までさんざん私に恋愛のことを教えてくれたんだもの……彼に限って、それはないか。
むしろ、恋愛観に問題があるのは私の方だ。
詠吾さんに深入りするのが怖くて告白もできず、それなのに勝手に傷ついたり不安になったりして……。
「さて、時間よ。またお互い進展あったら報告し合いましょう」
「……はーい」
簡単に悩みはなくならないけれど、円美さんに聞いてもらってほんの少し心が軽くなった。
この先進展なんてあるのかわからないけど、もう少し流れに身を任せてみようかな……。
そんなことを思いながら円美さんと炎天下の中を歩き、会社に戻った。