sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜


吐き捨てるようにみーちゃんが呟いた言葉に、私はふと違和感を覚える。

確かにみーちゃんは私が物心ついた時にはすでにこの家で働いていた。

だから“昔から”という部分はわかるけれど、女心どうこうという発言は、家政婦というよりまるで元恋人かのような……。

そういえば、みーちゃんには過去に忘れられない恋人がいると言っていたっけ。

その相手がまさか祖父……? いや、それはないか。みーちゃんの方が年上だし、そもそも元恋人の家で家政婦したいだなんてふつう思わないよね。


「あの、みーちゃん……? 私の考えすぎだと思うんだけど、お祖父ちゃんと昔恋仲だったりしない、よね?」


おそるおそる尋ねた私に、彼女はケロッと言い放つ。


「あらら、バレちゃいました? 前にお嬢様に聞かせた若い頃の話も、実はあの人とのことなんです」

「えええっ!」


詠吾さんのことで受けたダメージを一瞬忘れるくらいに、衝撃的な事実だった。

祖父とみーちゃんが元恋人だったなんて! 世間って狭すぎる!

ということは、二人は昔ラブホの回転ベッドで熱い夜を……いや、生々しいことを想像するのはやめよう。


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