sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜


「瀬川とは幼なじみで……数年前に付き合っていたときがあるの。でも、だんだん上手くいかなくなって、そのことを同じく幼なじみだった詠吾に相談してたら瀬川に浮気だって誤解をされてね」


詠吾さんとの浮気を一方的に疑われた凛さんは、激昂した副社長にあのお香を嗅がされて乱暴に襲われそうになったそうだ。でも、なんとか彼を振り切って逃げることに成功。

それからはもうこの人とは無理だと思うようになったけれど、副社長の方は頻繁に連絡を寄こしてきて、復縁を迫ったらしい。


「……藤咲さんにこんなこと言うのもあれだけど、過去の話だから許してね。私、瀬川のことを相談するうちに本当に詠吾のことを好きになっちゃって、瀬川にハッキリ伝えたの。私はあなたじゃなくて詠吾のことが好きだから、もう放っておいてって。……そしたら、あの人今度は詠吾に変な嫉妬心をもつようになっちゃって」


詠吾さんに、嫉妬……。そういえば、副社長の口からそれを匂わせる発言を聞いたことがあるような。

凛さんの横顔を見ながら思い出すのは、副社長室での出来事。

“綾辻を出し抜くには、もうこれしかないんだ”

彼はそう言って、私にキスを迫った。その言葉の裏側には、凛さんを奪われたという恨みがあったんだ。



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