sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜
「実は……さっき、旦那様が出かける直前に変なことを言いだしたもので」
「変な事?」
困ったように、けれどなんだか照れくさそうに、みーちゃんが頷く。
「千那様が綾辻弁護士様とご結婚なさって、幸せになるところを見届けたら……今度は自分たちの番だと」
私は一瞬どういう意味かわからず、目を瞬かせる。
自分たちの番って……もしかして、みーちゃんとお祖父ちゃんも結婚するってこと?
なんだかまわりくどい言い方だけど、プロポーズじゃんそれ!
「おめでとうみーちゃん!」
感極まってガバッとみーちゃんに抱きつくけれど、不安そうな声で聞かれる。
「千那さまは、その……いやじゃないですか? 今までお手伝いのおばーさんと思っていた人が急に自分のお祖父さまと夫婦になるだなんて……」
みーちゃんってば、人の恋愛に関しては好き勝手言うくせに、自分のこととなると臆病なんだな。そんな姿が可愛くて、ふっと笑みがこぼれる。
それに、私はあなたのことを“お手伝いのおばーさん”だなんてよそよそしい存在だと思っていないよ。
私はそっと彼女から離れて、素直な思いを伝える。
「……ふたりとも大好きな家族だもん。一緒になってくれたら、私も嬉しい」
「千那さま……」