sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜


私に続いて、祖父にみーちゃん、それに詠吾さんも思い思いにお参りを終え、霊園の出口に向かう。

その途中で祖父がみーちゃんを振り返って言う。


「じゃあ、私は一旦会社に行く。帰りは遅くなるが、夜食があるとありがたい」

「はい、かしこまりました」


それは今までもよくかわされていたやり取りだけれど、祖父はみーちゃんの返事を聞くなり呆れたように苦笑した。


「もう家政婦じゃなくなるんだから、そういう言葉遣いは直していかないとな、すみれ」


いきなりの名前呼びに、みーちゃんの頬が真っ赤に染まる。

やるなぁお祖父ちゃん。それにみーちゃんの素直な反応が可愛い。


「ち、千那様の前で何を言うんですか!」

「別に誰の前であろうと、私はもう気持ちを抑えるつもりはないよ。千尋たちへの報告も済んだし、あとは死ぬまできみを愛すだけだ」

「……勝美さん」


……よかったね、みーちゃん。

家族であるふたりのこういうシーンを目の当たりにするのは照れくさいものもあるけれど、幸せそうな二人にこちらまでほっこり心が和む。


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