sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜


霊園の前で先にタクシーで会社に向かった祖父を見送ると、みーちゃんも「さて」と日傘をさして私たちの方を振り返る。


「私はお夜食の材料を買いにスーパーに寄って帰ります。あとはお二人でどうぞごゆっくり」

「えっ、じゃあ私も一緒に帰……」


深く考えずに口にした私の発言に、みーちゃんの声がかぶさる。


「何を言うんですかお嬢様! 綾辻弁護士様がどれほど我慢なさっているのかおわかりでないのですか? 先日おあずけをくらってから、もう一週間ですよ? 男性にとってはそれはもうつらい拷問でしょうに……ねえ綾辻様?」


おおげさに同情を示すみーちゃんに、詠吾さんはにやりと微笑んで彼女がつかんでいる傘の柄に自分の手を重ねる。

な、なんだか妖しげなムードなんですけど……。


「社長には内緒で、すみれが相手をしてくれてもいいんだよ?」

「あらまぁ困ったわ。今日は色気のないベージュ色の下着ですのに……」


なぜだか周囲にハートをまき散らす勢いで盛り上がっている二人に、私は危機感を覚える。

二人とも冗談きついんですけど……。私のこと見えてる?


「……それもまた熟女っぽくてそそるよ。じゃあ行こうか、すみれ」


しまいにはみーちゃんの肩を抱いて私を置いて行こうとする詠吾さん。

ちょっと、どういうつもりなの~!?



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