sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜
「……唇なら、俺がふさいでおいてやるよ」
そうして重なった唇は、今までのどのキスよりも甘くそして凶暴だった。
頭を強くつかまれ、隅々まで征服されてしまうような深いキスの応酬に、脳みそがとろとろに溶けそうだ。
同時に与えられるたくさんの愛撫にも翻弄されてすっかり体の力が抜けてしまった私は、いつしかベッドに仰向けにされ、下着も取り去られてしまう。
詠吾さんも服を脱ぎ、しなやかな筋肉のついた身体を私の肌とぴたりと重ね合わせる。
そうしてひとつになる寸前に、詠吾さんが真面目な顔で尋ねてきた。
「千那……俺のこと、愛してる?」
「愛……?」
それは簡単には答えられない質問で、思わず考えこんでしまう。
詠吾さんのことは好き。たぶん、愛してる……とも、思う。
だけど、私はまだ恋についてようやくわかってきたようなスロースターターだから、愛だなんて言葉を自信をもって使っていいのかまだわからないのだ。
「まあいいか。……今から身をもって知ることになるから」
妖艶に微笑んだ彼の意味深な発言にドキン、と心臓が飛び跳ねるのと同時に、私たちはひとつに繋がり合った。
初めて彼と身体を重ねたあの夜とは全く違う、身体だけでなく心も満たされる幸福感で胸がいっぱいになる。