sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜
色々な疑問に答えを出せないままなのに、身体はすっかり綾辻さんのいいなりだった。
愛撫のさなかときどき「やめて」と頼んでみるのだけど、それはむしろ逆効果。
「今の千那の顔でそれ言われると、逆の意味にしか聞こえないよ」
妖艶極まりない声で意地悪くささやかれ、それにすら快感を覚える自分がいた。
しかもさっきまでよそよそしく“アンタ”とか言っていたくせに、急に名前で呼ぶなんて調子が狂う。
「千那……可愛い」
甘い言葉、濡れた瞳、意地悪な手。そのすべてにいつしか身体も脳もとろとろに溶かされて、次第に抗議するエネルギーもなくなってきた。
それどころか“もっと”と思い始めてきてしまう自分に驚く。
やだ……私の身体って、こんなに節操なかったっけ。そりゃあ人間、こういう行為の時はある程度理性をなくしちゃうものだけど、それにしても今日の私はおかしい。
だって、もしもこの中途半端に弄ばれた状態で放置されたら死んじゃうってくらいに、綾辻さんが欲しくてたまらない――。
「……このままおあずけしたら千那がどうなっちゃうのかも見てみたいけど、もう俺も限界だ」
綾辻さんはそう話しながらすべての衣服を脱ぎ捨てて、私の上に跨った。
スーツの似合う男はスーツを脱いでも全くその魅力が衰えることなく、程よく厚い胸板や割れた腹筋にできる影がセクシー極まりない。
その体に見惚れているうちに両足が開かされ、彼は探るようにゆっくり腰を押し進めてきた。
「あ……」
すぐに綾辻さんのぬくもりでいっぱいになると、自分のものでないような甘い声が漏れた。
身体が小刻みに震えて、涙が出るほどに気持ちいい。……ほんと、どうしちゃったの、私。