sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜
朝になったらきっと彼はベッドからいなくなっていて、私は祥平さんに連絡するんだ。
任務完了――。これで綾辻弁護士は顧問になりませんよって。
別にうちの会社の顧問にならなくたってテレビに出るほどの人気と知名度があれば仕事に困ることはまずあり得ないだろう。
たとえ彼が危惧していたような週刊誌に何か言われたって、弁護士ならうまく立ち回って逆に損害賠償とかふんだくれそうだし。……うん、問題なし。
私は綾辻さんの腕の中で遠慮がちに体勢を変え、窓の方を見ていた身体を彼の方に向ける。
そして、寝顔すらも美しい彼に小さく告げた。
「おやすみなさい、弁護士さん。……さよなら」
それにしても、思った以上にスリリングな夜だったからか、なんだか疲れたな……。
私は大きな欠伸を一つしただけで眠気に負け、そのまま夢の中へと誘われていった。