sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜
「やめてください……それに、嘘の報告って何のことですか?」
「藤咲千那を使って綾辻弁護士を罠にかける作戦は失敗しました。――僕はそう報告したんだよ、副社長に」
な、なんですって……!? それじゃ、私がしたことは無駄だったってこと?
だから綾辻さんはあんなに堂々としているんだ……。てっきり、まだ報告していないからだと思っていた。
「……ゴメン。綾辻弁護士が顧問になって会社に出入りするのも嫌だったけど、どうしても僕の口から千那ちゃんがほかの男に抱かれたなんて、言えなかったんだ」
祥平さんが悲痛な声で白状した。
そんなにも、祥平さんは私を……。だとしたら、結果的に彼の心を弄んでしまったのは私だから、贖罪の意味でも彼を受け入れる義務がある……のかな。
いや、それとこれとは別だよ。体のこわばりが解ける気配はないし、このまま何かされたらと思うと、恐怖で震えまでも現れてきた。
「千那ちゃん……」
私の心とは裏腹にすっかりその気スイッチが入ってしまったらしい祥平さんは、スカートの上からお尻を遠慮がちに撫でてきた。
やだやだやだやだやだ。贖罪とか思っても無理なものは無理。
いつか電車内で遭遇したことのある痴漢に対して感じるのと同じくらい気持ち悪いし怖いしで、泣きそうになってきた。