sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜
「本当に、やめて……」
彼の腕の中で抵抗するけど、その体はびくともしない。それは私が女だからただ腕力が弱いってだけのことなのに、彼はうれしそうに囁いてくる。
「気持ちいいんでしょ? うまく力が入ってないよ」
ちっがーう! 勘違いも甚だしい!
彼の言い分は断じて違うのに、このナメクジのようにうねうね動く手を振り払えないから悔しい。
そのうち逆の手が胸にまで伸びてきて、この人ここで事に及ぶつもりなんじゃ……! と、危機感がマックスに達したとき。
祥平さんの生暖かく荒い息で腐りかけていた耳が、ドアが開く音をキャッチした。
……誰か社員が来てくれたんだ!
ホッとしてさらに潤んだ瞳で助けを求めようと扉の方を振り向いた、けど……そこにいたのは社員なんかではなくて。
「……おたくたち、こんな場所で何を? まさか、弁護士の目前でセクハラ行為が行われているということかな?」