sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜
5.甘く、浮かれて
雨のドライブ
迎えた日曜日のデート当日。
私は自宅リビングの窓から降りしきる雨を眺めて、ため息をついていた。
「私の日頃の行いが悪いのかな……」
着替えもメイクもばっちり終えて、あとは綾辻さんが迎えに来るのを待つだけ、というところで、それまで薄日も差していたはずの空が徐々に暗くなり、あっという間に大粒の雨が降り始めてしまった。
「雨のデートもいいじゃありませんか。お嬢様の彼氏は車で迎えに来てくださるんでしょう?」
隣に並んで外の景色を覗いたみーちゃんが、励ますように言う。
「うん。……って、別に彼氏ではないけど」
「それでも私はお嬢様がこんなに気合を入れておめかしするのを見るのは初めてですよ。きっと、お嬢様にとって日に日に彼の存在は大きくなってきていて、デートも楽しみなんです」
「そう、なのかな……」
曖昧に返事をしながら、灰色の空を睨む。
いくら車で来てくれると言ったって、多少は濡れるだろうし湿気で髪は乱れるだろうし……やっぱり晴れがよかったな。
そんなことを思うのは、みーちゃんの言うように綾辻さんとのデートを楽しみにしている証拠だろうか。