sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜
そんな私の視線に気が付いたのか、急に振り向いた彼と目が合って、私は慌てて景色の方に視線を移動させる。
ずっと見てたの、ばれちゃったかな……。
かああ、と顔に熱がのぼってくるのを感じながら、必死に恥ずかしさに耐えている時だった。
「なぁ、暗くて、人目につかない場所ならいい?」
「え……?」
彼の言葉の意味を計りかねて固まる私だけど、綾辻さんはにっこり微笑んで私の手を取る。
「降りよう」
「え、も、もうですか? 降りたら、次はどこに……」
「駐車場。車に戻る」
駐車場、車、人目につかない場所……。な、なんか、ついていっちゃいけないような気がする。けど。
どんどん速まっていく鼓動は、上がっていく体温は、何を期待しているの?
さっきと同じ、恋人つなぎでしっかり繋がれた手も、しっかり彼の手を握り返しちゃってるし……もう、自分の意思がわからないよ。
嵐のように襲い来るドキドキに翻弄されながらも、私は彼の導く方へと素直についていった。