sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜
ドキドキ……その感覚に関しては、最近だいぶわかってきた。
彼の言う通り、確かに今も、ドキドキしてる。
私はコクンと頷いて、それからこう付け足す。
「綾辻さんといると……たとえ触れていなくても、ドキドキします。近くにいるだけで、いつも心臓うるさくて、胸が苦しくなる。だけど、綾辻さんが私から離れて別の女の人と話している時は、もっと苦しかった」
「……なんだ、もう答え出てるじゃん」
私の告白を聞いた綾辻さんはそう呟き、両手で私の顔を包み込むように挟んで、まっすぐな視線を向ける。
「千那は、俺のことが好きなんだよ」
「好き……私が、綾辻さんを……」
「そう。自分の言葉でちゃんと言ってごらん? 俺の目を見て」
綾辻さんの言葉に暗示をかけられたかのように、私は彼を見つめた。
ただ視線が絡んだだけで、こんなに胸が熱く高鳴るんだもの……彼に惹かれているのは間違いない。
ひとつひとつ、恋愛のイロハを教えられているうちに、彼のことを特別な人だと思うようになって。
今ではきっと、好き……その気持ちに、近いものを抱いているんだろう。
でも……。