【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
あの日、勝手に私を嫌って裏切った疾風。
そんな疾風の裏切りは私に傷を作って、その後で女らしくなるって宣言したけど。
それは、裏切りのせいだけじゃない。
人を殴れるような人間だったことに気づいて、怖かったんだ。
だから、そんな攻撃的な自分を誤魔化したくて……女らしさに拘っただけ。
本当に、嫌なことばかり思い出す。
だから会いたくなかったのに……。
「誰かと来たのか?」
私が持っている2つのジュースを見て、疾風が言う。
そうだよね。1人で飲むわけじゃないし、そこはすぐに勘づく。
「もしかして、彼氏?」
「彼氏なんかじゃない」
自分でもびっくりするくらい低い声だった。