【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
「わたしのこと、忘れてる?」
「雪乃……さん?」
ガシッと掴まれた手に力が入る。
「わたしの悩み聞いてくれるって、桜の時期に言ってなかったかな?」
「…………は」
「忘れてたって顔ね」
「あ……」
「は、とか、あ、じゃわからないですよ。夏海さん?」
「うう……ご、ごめんなさい!!」
教室に向かうまでの間、私は雪乃の目を見られなかった。
友達でありながら、放置して自分のことで精一杯だなんて最悪すぎ。
謝るしか出来ないなんて、そのくらい私は雪乃を気にしていなかったってことだ。
勝手に生徒会長と上手くいっているなんて思っていたけど、実はいろいろ悩んでいたんだよね。
きっと、こうやって怒るくらい切羽詰まっているんだよね。
これ以上、失望させちゃ駄目だ。