【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?


 やめろ! やめろよ!!
 思考回路を止めてくれ!!



 夏海先輩は恋人が欲しいわけじゃない。友達だって聞いて泣いたんだ。



 あの日に決めたはずなのに。
 友達でいるって決めたじゃないか!



 なに、キスしてるんだよ!
 次に会った時に、どんな顔したらいいんだよ!




「ああ、クソ!!」




 思わずカバンを投げつける。



 鈍い音がして僕は我に返った。



 そこが通学路から外れた駅前商店街であること。人通りの多い場所であること。



 次々に思い出して、視界が急にクリアになった。



 思い切り投げつけたカバンは目の前の人物に直撃していた。




「あ……」




 気づいた時には遅くて、やってしまった事実にしばし硬直する。



 血の気が引いていくのがわかった。

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