【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?


「ああああああ!! すみません、本当にすみません!! わざとじゃないんです!!」




 謝るしかない。
 俯いて鼻を押さえる人に、慌てて僕は駆け寄る。




「痛えんだけど」


「本当にすみません!!」




 そして僕は気づいてしまった。駆け寄ったことで、気づかずに踏んでしまった眼鏡の存在に。




「わああああ、どうしよう!」


「気にすんな。それ、伊達眼鏡だし」




 よく見れば僕と同じ男子高校生。茶髪が綺麗な……。




「あれ」


「あれ?」




 僕たちは同時に言っていた。




「あの時の、春真……だっけ」


「はい。えっと、疾風さんですよね?」




 なぜ今日に限って、夏海先輩と関わりのある人物に会ってしまうんだろう。
 今日ばかりは1人でいたいと願う日に限って僕は……。



 いつもながら、運が悪い。

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