【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?

天使くんともう1度……




 * * *



 混乱している時に限って、混乱の種は自ら姿を現してくれる。



 一旦、どこかで休もうと思って行きつけのラーメン屋の暖簾をくぐった矢先。




「夏海?」




 常連のだれかかと思った私は、何も考えずに声の主を探す。そして今更、ラーメン屋で呼んでくる女性なんて誰だと不審に思う。



 店主のおっさんしか、話しかけてくれないのに。今日は誰だと、長い思考の末に見えた彼女。




「雪乃……と、秋!?」




 見たことのない組み合わせに、私は口を開けっ放しで突っ立っていた。店主のおっさんに心配されるほど、放心状態。



 倒れそう。
 色々ありすぎて倒れそう。



 今日はこのまま帰ってもいいかな?
 今、普通に会話する自信がない。自分も相手も罵ってしまいそうで怖い。



 嫌われたくない……。

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