【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
『もう小学生じゃないんだ。一緒に遊ぶのやめよう』
成長したくないなって思った。
中学になったら会えなくなるなんて、悲しすぎる現実があるなら……。
『女と遊ぶなんて、恥ずかしいから』
全て壊したくなったんだ。
疾風と築いてきた物を全部、壊してしまいたくて。
涙より前に手が出ていた。
女の子みたいな平手じゃなくて、握っていたこぶしの痛みが心地よかった。
そんな私に答えるように疾風が殴ってくれた。
痛くて、苦しくて、悲しくて。
それなのに嬉しくて、安心して。
"別れ"っていうものが目の前に見えてきて初めて、殴ったことを後悔したんだ。
憧れていた疾風からの"友達じゃない宣告"は、私を動けなくした。
私はまだ、偽物の太陽の下にいるままなんだよ。だから、困らせるとわかっていても言わせて。
「助けてよ、疾風」