【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?


 私が言うと彼は笑う。



 その全部諦めてしまったような表情がムカつく。まるで被害者は自分だって、見せびらかしているみたいで。




「聞きましたよ。本当に好きなのは副会長だったって」


「それで?」


「好きな人に告白しなかったのはどうして? チャンスがなかった? 突然いなくなったから? ふざけないで!」




 生徒会長の目が酷く冷たくなる。全部、図星だ。



 自分を守ろうとして、勝手な言い訳をしてきた。這いつくばうような努力をしてこなかった。



 本当に綺麗で汚れのない生徒会長には、告白なんて出来なかった。
 なぜなら、ミスは許されない。ミスする可能性があるなら、最初から回避する。そういう男だ。

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