【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
長い沈黙の後、何を思ったのか春真くんは持っていたクリームソーダを一気に飲み干す。
「噂を信じて、それでも聞けなくて。聞いてしまえば、お互いが傷つくって」
「ねえ、春真くん。傷つくことってそんなに駄目なこと?」
「え?」
「そりゃ、怖いし痛いよ。でも言ってくれなきゃわからないよ」
こんなに暑いのに、こんなに眩しいのに、心が痛くてどんどん冷えていく。
目の前にいる好きな人が、見えなくなってきたのは多分、涙のせい。
私は春真くんを知りたい。
本当の心を知りたい。
あなたに、会いたい。
「春真く――」
「夏海先輩は、疾風さんと仲直りして進み始めて。上手くいったから僕にも同じことをしろと、そう言っているんですか?」
「そんな。私はただっ」
「やめて下さい。僕は夏海先輩とは違います」