【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?


 本当に泣きそう。



 思えばこんなに大勢の前でスピーチなんてしたことがない。言いたいこと、全部吹っ飛んだよ。



 駄目、落ち着けない。




「ねえ、雪乃はどこ?」


「こんなに人が集まるとは思わなくてな。来た人の誘導とかしてもらってる」


「う……。私の癒しはどこぉ」




 嫌な汗が流れてくる。



 今日のスピーチ、実は私だけがやる。



 結局、立候補者がいないまま学園祭当日になってしまった。



 私が会長に立候補したことは、教師陣に認めてもらえた。けれど生徒会長が女子となれば副会長は男子と、そこは譲れないらしい。



 雪乃は副会長を希望したけれど、私の結果次第で役職につけないから保留になったみたい。

< 291 / 327 >

この作品をシェア

pagetop