【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?


「少しは落ち着いたらどうなんだ」




 耳障りな低い声に私は振り向いた。予想通りの人物に見下ろされて、ちょっと萎える。




「生徒会長。あなたの冷たい声でも、私を落ち着かせるのは無理なようです」




 声に張りがない。わかってる。
 震えているのもわかってる。



 私のスピーチ前の開会宣言をしに来た生徒会長に、全てをお任せしたい気分。




「先生。時間は?」


「あと10分」




 勝手に話をしてるなーなんて思っていたら、生徒会長に引っ張られる。



 強い力に抵抗出来ないまま、体育館から外に出された。
 気づけば体育館裏。体育館裏って、ちょっと嫌なイメージある。



 私、殴られる?
 いや、むしろ1発くらい殴られた方がシャキッと出来るかもしれない。

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