【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?


「あのなぁ」


「わかってます。私、全く落ち着いてないですよね。はい」




 もうすぐ午後2時。
 まだ暑さの残る日差し。でも風は涼しく、秋の気配がしていた。




「あれだけぼくに啖呵を切っておきながら、本番が近づいた途端に縮こまるなんてな。まるで別人だ」


「本場に弱いんです、すみません」


「どうしても何かを伝えたいって、雪乃が言っていたのだが」


「あー、はい……まあ、そうです、ね」


「微妙な返事をするな」


「聞いて欲しい人、来るかわからないし。いたとしても伝わるか……」


「自信がない」




 先に言われて顔を上げた。



 その時になって生徒会長の顔を初めて見た。
 ずっと下を向いていたことに、今になって気づく。



 ずっと足ばかり見ていた。
 こんなんじゃ、伝わるわけがない。

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