【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
歩き始めた生徒会長は、私の言葉に立ち止まる。
背中しか見えないけれど、そこで私は全部理解してしまった。
「振られたよ」
「そう、ですか」
「会いに来てくれてありがとうって……彼女は何もかも綺麗すぎて、ぼくじゃ駄目だって気づいたよ」
私は何も言えなかった。
でも生徒会長は清々しいというか、いつもより笑顔の似合う男になっていた。
大丈夫だなって、ちょっと偉そうだったけどそう思えた。
「さて、時間だ」
「うー。また緊張してきた」
「しっかりしろ! 生徒会長になりたいんだろう!!」
「それとこれとは……」
手を引かれながら体育館に戻る。
その途中、久しぶりに聞こえた声に反応してしまった。
「ちょっと待ってください!」
「待たない」
「僕がなにをしたって言うんですか!」
「なにもしてないからだろ」
「え、え? あの?」
困惑する春真くんは侍の格好。多分、教室から連行された感じだ。