【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?


 両脇を抱えるのは、疾風と秋。
 息の合った2人に、見ているこっちが可笑しくなる。




「伝えたい相手、か?」

「はい」




 生徒会長に言われて自然と笑う。
 今、すごく楽しめている自分がいる。




「その様子なら、大丈夫そうだな」




 私は生徒会長に頷く。



 不思議だった。
 春真くんの顔を見たら、急に勇気がわいてきた。



 やらなきゃ終わる。
 やらなかったら後悔する。



 たくさんの失敗をして、たくさん経験して、だけどまだまだ幼くて未熟な私。



 きっと、誰だって初めはそうだから。



 だからって逃げたら、歩けなくなるんだよ。
 石みたいにかたまっちゃうんだよ。
 心まで石になったら、悲しすぎるから。



 あなたに伝えたいことがあります。



 私の想いが、


 私の心が、


 私の全てが、


 あなたに届きますように――――。

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