【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
天使くんを待ち伏せ
* * *
廊下には知らない顔があふれていた。たった1年しか違わないのに、新入生たちのいる3階は別世界みたいで緊張する。
去年は同じ場所を使っていたはずなのに、もう彼らの色に染まっている。
教室から出てくる彼らのどれも、私が捜している人じゃなくて焦る。これだけいたら見落としていても不思議ではない。
天使くんはすでに帰ってしまったのかな。
誰かに聞こうか。
名前も知らないのに、どうやって?
でも、ここで突っ立っていたって何も変わらない。
「名前くらい聞いておくんだった」
じっと廊下をくまなく見ているからか、怖い先輩が来たとか思われてるんだろうな。
これが雪乃だったらだいぶ違うんだろう。一緒に来ればよかったかな。