【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
私の声を遮るように国語のオヤジ教師が呼ぶ。
マイクのスイッチを切る音の激しさに、怒りマックスな予感がする。
やっぱり、寝ていたのがバレたのかな。授業中に起こさないで、後で呼び出すのが嫌味だ。
「行った方が良さそうですね」
「ごめん、春真くん」
私はすごく悲しい。
「また改めて話しに来ます!」
「うん、私も教室に行く」
ああ、離れていく。春真くんともっと話がしたかった。
「あ。そうだ、夏海先輩!」
「はい?」
私が落ち込んでいると、春真くんがにっこりと天使の笑顔で振り返る。
「髪型、すごく似合ってます」
「……あ」
「可愛くて好きです! それじゃ、また後日!」
照れることなく言い放って、春真くんは走っていく。
直後、私は顔が熱くなるのを感じた。