【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
入学式の日。春真くんと出会った時にカツアゲをしていた赤い髪の男。相変わらずの唇ピアス。
あの時に恨まれて、ずっと捜していたんだ。
馬鹿だって罵ったのも覚えてる。悪い奴だからって、階段から突き落としたのはやり過ぎだった。
でも、私には他に思いつかなかったから。
「思い出してくれたみたいだな」
「思い出した。でも何の用?」
どんな思いでここに来たのか、私を見つけたのかがわかるから、途端に言葉が冷たくきつくなった。
「あなた――」
「不破(ふわ)秋(しゅう)」
彼は私の言葉を遮って名乗る。先に威嚇してやろうと思っていたのに、上手く躱された。
思い切り戦えない感じで、ちょっと嫌な気分。こういう雰囲気は苦手だ。