【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
「あんたの名前は?」
「周防……夏海……」
「夏海、ね」
ジャラっと首元のシルバーアクセサリーが音を立てながら離れる。彼は一旦、私から距離を置く。
「復讐でもするつもり?」
私は何気ない動作で立ち上がる。カバンを手に持って出口までの距離をはかる。
まだ遠すぎる。
「髪切ったんだな。最初、わからなかった」
「あなたには関係ないでしょ?」
「ま、そうだけどな。似合ってると思う。夏海みたいな乱暴者にはな」
「あなたに言われたくない」
不破秋は長い前髪を掻き上げる。ナルシストっぽい仕草に寒気がする。
「そう警戒するな」
「そうはいかない。なにをしに来たのか、そろそろ教えて」