【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?



 不破秋から離れようと1歩後退すると、彼はその分、いや、それ以上の距離を詰めてくる。



 走れば間に合うかもしれない。
 でももし失敗したら、逃げたことで不利な状況になるかもしれない。



 このピンチを抜け出すには、会話をしながら逃げ道を確保しなければならない。




「あの日、オレは初めて女に負けたんだ」


「プライドでも傷ついた?」




 挑発しちゃ駄目なのに、どうしても彼に冷たくなる。落ち着かなきゃ。




「すげぇよな。オレたち、見た目怖かっただろ」


「普通じゃないとは思ったけど?」


「あの1年を助けるために飛び出してくるとか、なかなか出来ないことだ」


「褒め言葉って思っておく」


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