【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?
とても威圧的に感じるのは、その姿がヤンキーそのものだから。声も低く、背が高いせいで上から降ってくるみたい。
それに室内が薄暗くて、彼の表情が読み取れない。
怒っているのか、楽しんでいるのか、声質だけではよくわからない。
「話がそれだけなら帰るけど」
「待てよ」
急いでドアにかけた手を後ろから掴まれた。
何て長い腕! 猿みたい。
近づいた不破秋からは、ふわりと香水の匂いがする。
そういうのを付ける人なんだって思ったら、少しだけ嫌悪感。香水は苦手だ。だから私は離れるように上体を屈める。
「離してくれない?」
「まだ行かせねぇよ」