ぼくのセカイ征服
「悪い冗談はよせよ!本当は見えてるんだろ!?」
「急に怒鳴らないで…」
「お前の悪いクセだよな、それ!そうやって人を排他するのって…」
「彼、『男』よ…」
「…はい?」
衝撃の事実が発覚した。いや、これは衝撃すぎるだろ!?
しかも、何気に僕はスミレに暴言を吐いちゃったし。怒りを買ってはいないだろうか、と、そーっと、僕はスミレと目を合わせる。
…!この笑顔は!
間違いない、これは、スミレお得意の、『殺意が見え隠れする、危うい表情』だ。殺される。冗談抜きで、本当に、殺されるっ!
だって、目が…目がヤバいもん!あまりの恐怖に、先程の驚きなど、鳴りをひそめてしまった。
「え、えっと…本当に、君は男…なのか?」
僕は咄嗟に、話を逸らそうとしてみた。正確には、逸らそうとしたのは話ではなく、スミレの注意なのだが。
いくらスミレでも、他人が見ている前でいきなり攻撃を仕掛けてくる事はあるまい。それを期待しての、会話者の転換だった。我ながら、苦肉の策だな、これは。
と、僕が思慮に耽っていたその時。
質問されてからしばらく、僕の表情を窺うようにしていた少女、もとい少年?は、突然、大声をあげた。
「はい!僕は男です!」
「本当に、男?」
「はい!僕は男です?」
「いや、僕に聞くなよ。知らないから!」
確かに、見れば見るほど、男に見えてきた。何てこった…僕は、男を助けてしまったのか!?いたいけな少女だと思っていたのに!まぁ、男でも、可愛い事には変わりないんだけど。
…一応、断っておくけど、僕にそっちの趣味はないからね。
でも、助けたのが男とわかった瞬間、何か、全部どうでもよくなった自分に、軽く自己嫌悪。
「でも、その制服は女子の…」
「はい!僕には女装癖がありますので!」
うっわー。マジで関わり合いたくねぇ。もう手遅れだが。威勢がいいのは悪くないが、堂々と言うのもどうかと思う。僕はこんなヤツを家まで送らねばならないのか?頗る嫌だ。あの時、投げ出していればよかった。
なんて、思いつつ。
僕はスミレに向き直る。さっき、スケジュールがどうこう言っていた相手を、これ以上この場に引き留めておくのは酷だ。この場所は危険地帯になりかねないしな。
なので。
ここで、僕はスミレに、本来の予定に沿って行動するように促した。
「急に怒鳴らないで…」
「お前の悪いクセだよな、それ!そうやって人を排他するのって…」
「彼、『男』よ…」
「…はい?」
衝撃の事実が発覚した。いや、これは衝撃すぎるだろ!?
しかも、何気に僕はスミレに暴言を吐いちゃったし。怒りを買ってはいないだろうか、と、そーっと、僕はスミレと目を合わせる。
…!この笑顔は!
間違いない、これは、スミレお得意の、『殺意が見え隠れする、危うい表情』だ。殺される。冗談抜きで、本当に、殺されるっ!
だって、目が…目がヤバいもん!あまりの恐怖に、先程の驚きなど、鳴りをひそめてしまった。
「え、えっと…本当に、君は男…なのか?」
僕は咄嗟に、話を逸らそうとしてみた。正確には、逸らそうとしたのは話ではなく、スミレの注意なのだが。
いくらスミレでも、他人が見ている前でいきなり攻撃を仕掛けてくる事はあるまい。それを期待しての、会話者の転換だった。我ながら、苦肉の策だな、これは。
と、僕が思慮に耽っていたその時。
質問されてからしばらく、僕の表情を窺うようにしていた少女、もとい少年?は、突然、大声をあげた。
「はい!僕は男です!」
「本当に、男?」
「はい!僕は男です?」
「いや、僕に聞くなよ。知らないから!」
確かに、見れば見るほど、男に見えてきた。何てこった…僕は、男を助けてしまったのか!?いたいけな少女だと思っていたのに!まぁ、男でも、可愛い事には変わりないんだけど。
…一応、断っておくけど、僕にそっちの趣味はないからね。
でも、助けたのが男とわかった瞬間、何か、全部どうでもよくなった自分に、軽く自己嫌悪。
「でも、その制服は女子の…」
「はい!僕には女装癖がありますので!」
うっわー。マジで関わり合いたくねぇ。もう手遅れだが。威勢がいいのは悪くないが、堂々と言うのもどうかと思う。僕はこんなヤツを家まで送らねばならないのか?頗る嫌だ。あの時、投げ出していればよかった。
なんて、思いつつ。
僕はスミレに向き直る。さっき、スケジュールがどうこう言っていた相手を、これ以上この場に引き留めておくのは酷だ。この場所は危険地帯になりかねないしな。
なので。
ここで、僕はスミレに、本来の予定に沿って行動するように促した。